苦い文学

教卓の力の研究

現代では教卓に関する科学的研究が進んでいる。そのおかげで教卓にまつわるかなりの現象が予測できるようになった。

例えば、ある程度の広さのある教室に、そのキャパの半分程度の学生を投入するとしよう。こうした状況で、教卓を研究する科学者たちは、教室の中を見ないでも、教室内で学生たちがどのように着席するかをかなりの程度、正確に予測できるようになった。

科学者は、知性と数式だけで、こう予測する。学生たちは教卓の周りに半円状の無人の空間ができるように着席するであろう、と。

実際に教室内を見てみよう。まさしくその通りなのだ。

さらに、科学者たちは教室の外から粘り強く観察を続け、教卓に関するこれまで知られていない新たな現象も発見した。

驚くべきことに、教卓から離れれば離れるほど寝ている学生が増加していたのだ。

教卓との距離と眠気が比例するという新たな発見は、いったなにを意味しているのだろうか。

現在、科学者たちは、教卓と眠りとの関連を明らかにすべく、寝室に教卓を設置する大規模な実験を準備している。