どうしていったん暖かくなったのに、急にまた寒くなったりするのだろうか。しかも、冬物をしまってからこういうことが起きるのだ。徐々に気温を上げることは不可能なのだろうか。
私ははじめはこれは気象庁の連中がやっていることだと思っていた。わざと急に温度を下げて、半袖姿の私たちがブルブル震えているのを見て、大笑いしているものとばかり思っていたのだ。
だが、最近、そうではない、と考えるようになった。気象庁の陰謀など、そんなことあるわけがない。
むしろ、私は、これは私たちの心の問題ではないか、と思っている。
たとえば春先に暖かい日が続くとしよう。私たちははじめは大喜びだ。冬物を片付けたり、クリーニングに出したりして、早くも半袖半ズボンで外に飛び出す。
だが、暖かい気候が数日続くと、私たちの心に不安が生じるのだ。「いや、こんな日がずっと続くわけない」「長袖をしまったのは早まったか……」
それどころか気温がぐんぐん上がり、汗ばむようになると、私たちは死刑宣告を受けたような気になる。「夏日だと? ということは次はもう冬ではないか!」
私たちの心が先に冷え込んでしまうのだ。そしてこのマインドの冷え込みが急な寒気を招くのである。
だから、心を強く持とう。一度上がった温度は絶対に下がらないと、私たちみんなで心から信じれば、きっと天気も応えてくれるはずだ。