苦い文学

難民難民

「難民」という語は、通常、宗教や政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるため自分の国から逃げた人のことを指すが、日本語では別の意味でも使われている。

それは「居場所やものにあぶれた人」のことを表す用法で、普通は前に「居場所」や「もの」を表す名詞が来る。

例をあげると、「ホテル難民」とはどのホテルも満室で宿泊場所がない人のこと、「病院難民」とは、病院が足りなくて十分な治療を受けられない人のことだ。

居場所がないというのは行き場を失うということだから、そこから「帰宅難民」などという言葉も出てくる。

「もの」の例では、「チケット難民」「ランチ難民」などがあり、チケットが手に入らなかったり、ランチを食べられなかったりする人のことを指す。いずれも「座席」に関係があるので、これも、居場所がない、というところから発展してきたものだろう。

「ネットカフェ難民、ネカフェ難民」というのもある。ただし、これはネットカフェに入れない人ではなく、ネットカフェにしか居場所が見つけられない人のことをいう。特殊な意味だが、やはり居場所に関連している。

さて、よく知られているように、日本は難民認定数が非常に少ないということでお馴染みだ。その理由はいろいろ考えられるが、いずれにせよ、日本に逃げてきた難民にとってはつらいことだ。

認定難民というのは、法律的な地位のことだ。だから、難民に認定されないというのは、法的な居場所がないということでもある。

なので、難民としての居場所がない難民は、我が国では難民難民と呼ぶことを提案したい。