苦い文学

ベビーカー

ベビーカーが乗り込んでくると、決まって電車はイラつき出す。なんとかして外に吐き出そうとする。でも、それは簡単じゃない。ベビーカーには切符があるからだ。

それで、思いっきり急ブレーキをかけて、困らせようとする。けど、それもうまくいかない。ベビーカーにもしっかりブレーキが付いていて、ちょっとやそっとじゃびくともしないのだ。

そこで電車がどうするかというと、陰気な乗客たちを利用する。満員にして乗車拒否したり、乗ったら乗ったで乗客に「チッ」と舌打ちさせたり、「じゃまだ」とか怒鳴らせたり、果ては足で蹴らせたりして、あの手この手で追い出そうとするのだ。

容赦ないのだ。ベビーカーの中の子どもが電車のおもちゃを握りしめていたとしても、いっさい手加減しない。それほど憎んでいるのだ。

いったいどうして電車はベビーカーのことをこんなにきらっているのだろうか。

ぜひ仲良くしてほしいと思う。同じ乗り物なのだから。