苦い文学

童夢

ムーディー・ブルースのほうではないのだが、大友克洋の全集が去年から刊行されていて、買いそびれたままになっていた。

こういったものは初めから買わないと特典がつかない。いまさら買っても遅いので諦めていたら、(案の定というか)刊行が遅れていて、それにともない第1期の特典応募期間も延期されているという。

それでさっそく第 1 回配本の『童夢』を購入することにした。

おそらく全国民が一度ならず二度、三度と読み返している作品なので、とくにいうべきことなどないが、何十年ぶりかに読み直してみて、前半と後半では絵が違うのに気がついた。前半は、大友克洋の短編時代の雰囲気があって懐かしい。だが、後半はずっと『AKIRA』の絵柄に近くなる。「ヨッちゃん」なんて、後半では『AKIRA』の大佐みたいだ。詳しいことはわからないが、後半はずいぶん書き直したそうだ。

さて、今回読み直して、一番驚いたのは、老人の「チョウさん」が、65歳だったということだ。

この漫画が出た当時は、65 歳という年齢は老け込んで超能力を使っても不自然ではなかった。だが、現代では 65 歳といえば超能力どころか、金田や鉄雄と一緒にバイクを乗り回しててもおかしくない年齢だ。

40 年のあいだにいかに高齢化が進んだかということであろう。