いつの頃からか知らないが、レストラン関係者の前から、私たち客が消滅したようなのだ。
レストラン関係者は、私たちの顔を見ないですむなら、どんなことだってするようになってしまった。それほど、私たちを憎んでいるのだ。
だから、もう注文など聞きにやってこない。タブレットかスマホ経由で注文させる仕組みを考案したからだ。断固として客に近づきたくないのだ。
そればかりか、注文した料理を持ってくるのも拒否している。へんちくりんな配膳ロボットがふらふらとテーブルにやってくるだけだ。
私たちは余儀なく運ばれてきたものを受け取って、ただ腹に流し込むほかない。何か問題があって、配膳ロボットにクレームを言っても無駄だ。聴覚センサーがないのだ。とんでもなく美味くて「この料理を作ったシェフを呼んでくれ!」と頼んでも、無言で通り過ぎていくだけだ。
レストラン関係者は、もう私たち客に関心など持っていないのだ。私たちの存在は配膳ロボットのタスクのひとつでしかない。そこまで貶められたのだ。
もう、我慢の限界だ。私たちは決してレストランに行かないだろう! なにをわざわざ、こちらから頭を下げて出向く必要があろうか。
ロボットにでも行かせるがいい。