中国発の気球、世界の空に出没する。
アメリカ、無人偵察用気球と認定し撃墜する。中国、気象観測用だと反論し、猛反発。
日本にも気球が飛来する。気球を安全保障上の脅威として捉え、撃墜する。中国から激しい非難。
中国、無人偵察用気球を廃止。有人偵察用気球の開発に取り組む。高高度の厳しい環境に耐えられるように人間に強化処理および適応処理を施し、気球と一体化することに成功。気球人間、誕生。
アメリカ本土に再び偵察用気球が出現する。撃墜作戦が実行されるが、気球から生体反応が検出され、中止。アメリカ、有人の偵察用気球と断定。米中関係に重大な変化をもたらすという懸念から、有人の気球に対する攻撃は行われず。
日本でも同様の事態起きる。日中関係への配慮から、有人気球に対していかなる措置も取られず。
気球人間の大量生産が進む。このころ中国国内から民族主義者、民主化活動家、政府批判者などが一掃される。
中国の有人偵察用気球、全世界に溢れる。
気球人間たち、思考も感情もなく、極寒の大気の中、酸素貪りながら、ただただ虚空見つめ続ける。