苦い文学

明治維新

歴史はよくわからないが、幕末と明治維新が大転換期だったということはわかる。そして、日本人がなにかというとこの時代を参照したがるということも知っている。

たとえば、国について憂えたり、国を大きく変えようと思う政治家は、かならず維新の志士に思いを馳せるのが我が国の慣わしだ。

思いを馳せついでに、維新だの、新撰組だのといった名称を、お土産のように過去から現代に持ち込んでくるのもいる。ありがたいことに、当時は著作権も商標登録もなかったから、なんでもフリー素材、使い放題なのだ。

タチの悪いのになると、国や国民のことなんかひとつも考えていなくっても、明治維新の単語ストックから引っ張り出してきたので、ごまかそうとする。もういい加減、現代政治に明治維新を持ち込むのはやめにしてほしいところだ。

また、外国からなにか影響力の強いものがやってくるたびに、「黒船だ、黒船だ」と言い立てるのもたいがいだ。この悪癖も早急にやめてもらいたい。

近い将来、宇宙人が宇宙船で飛来したときに、全人類のうち我が国だけ「黒船だ、黒船だ」と騒いでいたらと思うと、もういたたまれないのだ。