政府が、外国からの脅威と戦争の危機を宣言し、人々の心を恐れで満たしたとき、リベラルどもは公然と政府を嘘つきと批判し、人々には冷静になれと訴えた。
しかし、その声を聞くには人々はあまりにも恐怖に取り憑かれていた。人々はリベラルどもを裏切り者だと罵り、ありったけの脅迫と嘲笑といやがらせを投げつけた。そのあげく、ついにはこう叫び始めた。敵のスパイどもを殺せ、と。
すぐさま政府は行動に出た。怒り狂った人々がリベラルどもに危害を加える恐れがあるとして、つぎつぎにリベラルどもを保護していった。そして、保護された人々、大人も子どもも赤ん坊も、二度と帰ってこなかった。
誰も反対するものがいなくなり、人々は喜んだ。本当に強い政府が生まれたのだ。我々はいつ敵が攻めてきても怖くない。いや、攻められるのを待つなんてバカだ。先手必勝だ。
そして戦争が始まった。長く苦しい戦いだった。たくさんの人が死んだのち、政府は崩壊した。
戦後、生き残った人々は政府がどれだけ嘘をついていたかを知った。そして、こう憤った。
リベラルどもがだらしなかったからこんなことになった、と。