苦い文学

絶対に当たる占い

「本当のことを言えば、占いという業の愚かしさほど私を呆れさせるものはないのです」と占い師は言った。

占い師は「絶対に当たる占い」と書かれたブースの主だった。客はといえば、占い師を前にしてどうやら緊張気味だ。

「自分は何月何日生まれだから今日の運勢はこうだ、など人々は一喜一憂してます。ですが、同じ誕生日の人間がこの世にどれくらいいると思っているのでしょうか。それがみんな同じ運勢などということがあるでしょうか……それで考えたのです。占いの愚かさを世間に知らしめるべく、一つの行動を起こしてやろうと……」

だが、占い師は客が上の空なのを見て話を打ち切った。「もういいでしょう……」と客にペンと紙を差し出す。

「まずはあなたのお名前をどうぞ」

客は自分の名前を書いた。「では、その次に生年月日を……そして住所を……」

客が言われるままにすべて書くと、占い師は紙をじっと覗き込んだ。そしてこう言った。

「あなたの運勢は、吉田五郎型です」

吉田五郎はハッとした顔で占い師を見た。ブースの主は言った。

「どうですか」

「ええ、ピタリです! 百発百中の凄腕占い師という評判に偽りなしです!」と、吉田五郎は足取りも軽く立ち去った。

占い師は残念そうな顔をして、次の客を呼び入れた。