苦い文学

鉄道世界における争い

鉄道世界において運転手と駅員は激しく争ってきた。

運転手には限られた人しかなれない。いわば鉄道世界のエリートだ。いっぽう、駅員たちは運転手になれなかった恨みを抱え、運転手たちに嫉妬し、これを憎悪していた。それで、妨害活動に精を出すようになった。

どんなような妨害かというと、電車を止めるのだ。そのやり方には2種類あった。ひとつは、制服を脱ぎ捨て、一般人に身をやつして、線路内を歩き回るのだ。たちまち電車はストップだ。そして、運転手は電車が走らなければ、ただの人にすぎない。

もうひとつは、電車内で急病人を装うのだ。それっとばかりに駅員たちはその偽の病人に駆けつけて、まんまと電車を止めてしまう。運転手は大弱りだ。

こうしたいやがらせは運転手たちを激しく怒らせた。そこで、彼らは、対抗手段を考案した。駅周辺のならず者たちを扇動して、駅で傍若無人の振る舞いをさせ、駅員たちを困らせることにしたのだ。

この作戦は当初はうまく行ったが、しだいにならず者たちが増長し、駅員ばかりでなく、運転手まで困らせるようになった。

そこで駅員と運転手は、やむなくいがみ合うのをやめ、駅長のところに問題解決を頼みに行った。

だが、駅長に何ができよう。駅長は一日中、キーボードで発車メロディを弾いているだけなのだ。

結局、駅員と運転手は、毎日ならず者たちのために苦しむことになった。

これらのならず者たちが、現在の撮り鉄の祖先であると考えられている。