苦い文学

あなたの夢はかなう

自分の夢を実現したい、素晴らしい人生に変えたい、成功したい、幸福になりたい……だれしもそんなことを考える。

そして、そうした人のために、さまざまな成功アドバイスを記した本が出版されている。

いわゆる自己啓発書だ。

そうした本を読むのもいいことかもしれない。

もちろん、私も大いに読みたい。そして、成功、いやそこまででなくても、人並みの生活が送れるようになりたい。

だが、私には疑問がある。

なぜしばしば「続編」があるのだ。

まるで、1冊目だけでは「夢を叶えたり、幸運を引き寄せる」のに不十分みたいではないか。ひどいのになると、シリーズ化されている……第5弾、第6弾と!

こうなるともう、むしろ最初の一冊は、夢など実現しないほうに全振りしているのではないかと疑りたくなる。

以前、「すべてを手に入れる」ことができるという本が出た。この本を読んですべてを手に入れた読者がいたかは知らない。

だが、かりにいたとしても、まるでその読者を嘲笑うかのように、数ヶ月後に続編が刊行されたのであった。