苦い文学

地獄の芸術

上野公園に行くと、きっと皆さんはあちこちで人だかりができているのにお気づきになることでしょう。

ちょっと足を止めて、その人だかりの中をのぞいてみましょう。そこではジャグリング、マジック、人形劇、素敵な演奏などのパフォーマンスが行われていて、皆さんも、他の観客と一緒に引き込まれ、その楽しさに時の経つのを忘れてしまうでしょう。

これらのパフォーマーは、東京都公認の大道芸人で、ヘブンアーティストと呼ばれています。都民が気軽に芸術文化に触れる機会を提供するために、都が始めた制度です。

ところで、皆さんは、ヘルアーティストが存在するのもご存じでしょうか。

ヘブンアーティストが路上でのパフォーマンスによって生きる楽しさを教えてくれるとすれば、ヘルアーティストは生きる厳しさや孤独、苦しみを教えてくれる東京都非公認のパフォーマーたちです。

お酒を持っている人が多いですが、若い人もいます。とっ散らかった人もいれば、行き場のない子どもたちもいます。

なんとなく皆さんはその中に私の姿を見かけたような気がしてきたかもしれません。私は皆さんのことをちゃんと見つけましたよ。