苦い文学

老害記念日

今日は「老人の日」。これから、1週間の「老人週間」が始まります。「敬老の日」は9月の第3月曜日ですから、今年は9月19日ですね。

高齢化社会となった我が国では、従来の「老人の日」「敬老の日」に加えて、さまざまな老人ための祝日を制定することになりました。

10月は、老人の心身の健康を喜ぶ「老人スポーツの日」、若者が老人の言葉を拝聴する「聞き分けの日」、若者が老人のために寄付をする「年金記念日」。

11月は、「老人文化の日」と「老人感謝の日」に加えて、老人のわがままを聞いてあげる「冷や水の日」、老人の知恵を敬う「年の功の日」などもりだくさんです。

12月は、前半の2週間が、「師走週間」です。この期間中は、老人は何を買ってもすべて半額です。また、若者たちは老人に出会うたびに平伏して喜びを表します。後半の2週間は、「年忘れ週間」です。若者たちは老人に思い思いの贈り物を差し上げ、長生きを祈って平伏する期間です。

大晦日もお正月も、お年寄りを敬って、お年玉を差し上げる期間ですし、その後には「老人成人式」があり、地方自治体から高価な記念品が配布されます。

2月から8月までは省略しますが、月に10日は老人のための記念日が新たに制定されています。ただし、老人以外の人は休日にはなりません。

「なんだ、老人の記念日ばかりではないか」と思う方もいるかもしれません。もちろんそんなことはありません。今回新たに「若者の日」も制定されたのです。

「若者の日」は、若者たちが、若さの赴くままにわがまま放題にふるまい、高慢な顔つきで外を出歩き、老人に対して生意気な物言いをしたりすることが許されています。

この日ばかりは日頃の鬱憤を晴らそうと、若者に扮した老人たちが街に繰り出すのです。