なんだ変な棒が落ちているぞ。こんなところにあったら邪魔だ。みんなが通るってのに。捨ててやろう。いや、違う。待てよ。この棒はもしかしたら、藪から棒の棒では? 待て待て。慌てるな。藪があるとでもいうのか? 周りを見てみろ。いったいどこに藪が? ふーっ、脅かすなよ。藪から棒の可能性はもう消えた。薮がないんだから出てきっこない。よし、決まりだ、捨てよう。邪魔だから。みんなが通る道だもの。遠い昔に誰かが切り開いて以来、通りに通った道だもの。捨てるぞ! (フフフみんなびっくりしてるぞ、もう一度だ) 捨てるぞ! あっ、いやっもしや、犬も歩けば棒に当たるのほうの棒では? あー危ないところだった。犬どもに訴えられたら目も当てられん。「棒に当たる機会を奪われた!」なんて。わざわざ遠くから当たりにやってきたのに……そんな犬だっているかもしれん。機会損失だよ。まずはひとつ、本当にその棒かどうか、犬が通るのを待ってみよう。それで犬が当たらなければ、これはもうこの棒はただの棒、捨てていいってことだ。しかし、犬が通らない……あっ、何か来た……猫か……いま通り抜けたのは? 狸か……おっ、来た来た来た来た、犬! 犬が棒に接近中! あと2メートル、1メートル、50センチ、24センチ、9センチ……当たるか、当たらないか? あーっ、当たりませんでした! というわけで捨てるのだ。