先日、轟音でギターをかき鳴らすタイプ、いわゆるシューゲイザー系のバンドのライブに行ったとき、ある瞬間から、すべての音が調子っぱずれに聞こえ出した。
会場の反響が原因だった可能性もあるが、もしかしたら、私の耳が加齢によって劣化したせいかもしれない。
人間の聴力は年をとるにつれ衰えていくものであり、また、周波数の高い音はだんだん聞こえなくなってくる。よく知られているようにモスキート音が聞こえるのは若者だけだ。
私は子どもの頃からロックを聞いてきたが、同じ曲でもその頃と今ではおそらく聞こえかたは全然違うにちがいない。もちろん、今のほうが再生機器もいいし、リマスターされてはいるはずだが、残念ながら、耳はリマスターしようがないのだ。
だが、そんな我々の衰えた耳に朗報が届くことだろう。50代の耳向け、60代の耳向けに特別にリマスタリングされたリイシュー盤が発売されるのだ。そして、さらに補聴器世代向けのスーパー・デラックス・エディションが。
もう遺骨になっても骨伝導専用リマスターで聴き続けるつもりでいるのだ。