苦い文学

帝国欲

ロシアがウクライナに攻め込んだのには、ロシア帝国が君臨していた時代をもう一度復活させたいという、プーチンの野望があるのだと、しばしば言われる。

この野望は、時代錯誤の妄想といわれるが、果たしてそうだろうか。

というのも、今の世界では、帝国復活が一大ブームなのだ。その筆頭に挙げられるのは、中国だ。

まったく、今の中国の膨張政策や強権主義を見ていると、かつて世界の中心であった中華帝国を復活させようとしているかのようなのだ。

また、トルコのエルドアン大統領も、かつてのオスマン帝国を復活させようとしているという。こうした政治的立場を「新オスマン主義」というのだそうだ。

それに、我らがビルマ軍事政権だって例外ではない。現在のビルマ民族による少数民族支配を正当化しているのは、「植民地化以前のビルマ王国の時代からビルマ人は非ビルマ民族を支配してきた」という歴史観だ。

おそらくこうした傾向のある国は他にもあるだろうから、そうなると帝国復活をアナクロニズムだと簡単に決めつけることはできそうにない。

となると、気になるのは、帝国界の末席に連なる我が国の動向だ。

帝国欲がまたぞろ湧き出てきて、「ロシアと手を組んで大日本帝国を復活させるべし」などと声高にいう人が現れても、まったく不思議ではない状況なのだ。