苦い文学

イエスの再臨

その輝かしい宇宙船がやってきたのは、私たちが泥沼の戦争に疲弊しきっていたときだった。

私たちは撃つのをやめにした。武器を手放し、空を見上げた。宇宙船は不思議な光に包まれていた。

宇宙船が着陸したのは地球の頂だった。そこからは地球のすべてが見渡せ、また全地球人がそこを見ることができた。

そして、宇宙船からひとりの神々しい男が降り立った。それはまさしくイエス・キリストだった。

ついに再臨したのだ。キリスト教徒の間に歓喜が広がり、やがて動揺がその歓喜を打ち消していった。なぜなら、イエスの再臨の日は同時に裁きの日でもあるから。

イエス・キリストはボードを携えていた。そこには神の言葉が記されており、一文字一文字が燃え立っていた。神のひとり子は、その炎のボードを地球人に差し出した。

内容は以下のとおり。


神の代理人たる私イエス・キリストは、神と人間との契約に基づき、以下の項目を正当な取り分として請求する。

✓ 旧約および新約聖書、外典、死海文書、その他の文書の使用料
✓ 讃美歌などにおける神・イエスなどの名の使用料
✓ 図像・美術・写真・映画などにおける、神とイエス・キリストの肖像の使用料
✓ 原始教会の時代から、現在のあらゆる教派・宗派における顧問報酬
✓ 人類の文化の発展へのコンサルタント報酬
✓ キリスト教的情熱・インスピレーション・慈愛・献身のサブスク料金

なお、期日までに支払いなき場合は、私が「平和ではなく、剣をもたらすために来た」(マタイ10:34)ということにご留意されたい。

アーメン。


金額は莫大であり、負債は人類に十字架のようにのしかかっている。だが、奇妙なことに、キリスト教への改宗者は増えるばかりだ。なんでもそうだが、無料よりも有料のほうがありがたいということだろう。