苦い文学

第二の人生

次のニュースです。

(都内某所で、しょぼくれた老人たちがデモを行っている様子)

「第二の人生など迷惑なんだ!」「そのとおり!」

「第二の人生反対!」

なにやら聞き慣れぬメッセージを叫びながら気勢をあげる高齢者たち——

人生100年時代を迎え、第二の人生を楽しむ人々が増える中、第二の人生に反対する活動が波紋を呼んでいます。

デモを企画したのは、全国のしょぼくれた老人で作る「第二の人生阻止協議会」。その名の通り、第二の人生を阻止するために結成されました。

(デモ参加者)「私はいつか本当の人生が始まると考えて生きてきました。なのにその人生が始まる前に第二の人生だって? とんでもありませんよ」

(リポーター)「おいくつですか」

(デモ参加者)「当年とって76です」

デモに参加するのは高齢者ばかりではありません。なかには50代も———

(50代のデモ参加者)「私は長い間、無職でぶらぶらしていましたが、ついに天職を見つけたのです」

(リポーター)「それはなんですか」

「そば職人です。今そば打ちの修行をしているのですが、本当に腹が立ちます! 周りが『第二の人生でそば打ちなんて素敵ですね』なんて。いやこっちは第一の人生これからなんですよ。(いきなり叫び出す)第二の人生でそば打ち反対!」

(しょぼくれた老人たち)「そば打ち反対!」「悠々自適反対!」「いきがい断固拒否!」

同団体は今後、国を相手取り「第一の人生」の返還を求めていく方針です。