陰謀論というのは、爬虫類人間が人類を支配しているとか、ワクチンにマイクロチップが仕込まれている、とか、荒唐無稽で、およそ信じ難い要素がたいてい含まれている。
そのせいか、陰謀論の話題になると、「どうして人は陰謀論を信じるのか」という問題がしばしば取り上げられがちだ。
だが、こうした議論でときどき私が気になるのは、「陰謀論を信じない人」のほうが普通で、「陰謀論を信じる人」のほうが異常、という捉え方が多いことだ。
こういう捉え方をするからには、もう、結論は決まっている。異常な人が陰謀論を信じるのだ。
事実、陰謀論を信じる傾向があるとされるのは、「低収入、低学歴、社会的孤立」といった特徴をもつ人々だとされることが多い。
どうしてかというと、「低収入、低学歴、社会的孤立」は社会的にはマイノリティだからだ。そして、我々の社会ではマイノリティであるとは、別の言い方をすれば異常だということなのだ。
だが、実際のところ、陰謀論を信じるか信じないかは、収入も、学歴も、社会的に孤立しているかどうかも、あまり関係ないのではないか、あるいは、本質的ではないのではないか、そんなふうに考えさせられる例も多い。
私はこの問題についていろいろ考えた結果、次のような可能性もあるのではないかと思うようになった。
人間は陰謀論を信じるのがデフォルトの状態なのではないか、と。
だから、問題は「どうして人は陰謀論を信じるのか」ではなく「どうして人は陰謀論を信じなくなるのか」なのだ。
この点についてはまた別に書きたいが、ここにかの「地頭理論」が関わってくるのだ。