苦い文学

向き不向き

人間には向き不向きというものがある、そういったことを考えるたびに私が思いだす出会いがある。

日本語の専門家だが、ちょっと変わった人がいて、ある時、私はその人と話す機会があったのだ。

彼がいうには、これから日本語教育に携わることになったのだという。

彼は、私が日本語を教えているのを知っていたので、こんなふうに聞いてきた。

「留学生ってどんな人たちなんでしょうね」

彼はあくまでも日本語の研究者で教育についてはよく知らないのだ。そして、彼は続けた。

「臭いんでしょうか」

さすがに私は呆れ、否定したのであった。

結局のところ、その人はしばらくして日本語を教えるのはやめにしたようだった。

おそらく向いてなかったのだろう。だが、いったい彼のなにが向いていなかったのか答えるのは容易ではない。

彼の人間性だろうか。

それとも、鼻だろうか。