苦い文学

暴走族抗争秘話

昔、暴走族華やかなりしころ、私の住んでいた千葉の田舎で有名だったのはグループ・レッド・ゾーンという集団であった。彼らは「GRZ」の略称でも知られていた。

その名はさまざまな凄惨な噂とともに語られ、中学生であった私の心胆を寒からしめたものだった。

だが、当時は教師も平気で暴力を振るっていたから、これら「族」の若者たちがひどく乱暴なのも当たり前であった。彼らは夜な夜な繰り出しては、けたたましい音を立てて走り回り、グループ間の抗争に明け暮れていた。

当時、もう一つ有力な暴走族にグループ・ブルー・ゾーン(GBZ)という集団があった。

あるとき、GBZがGRZのところに行くと、GRZはなにやら悲しげだ。心配になったGBZが尋ねるとこう言うのだった。

「俺たちはこれまで街の奴らやポリ公に迷惑ばかりかけてきたが、これからは仲良くやっていきたいのだ。だが、街の奴らは俺たちを不良だと決めつけて相手にしないのだ」

そこでGBZは一計を案じ、GRZに打ち明けた——————

その夜、GBZはいつものように夜の街に繰り出し、町中が飛び上がるような爆音を響かせ、道ゆく人々に乱暴狼藉を働いた。

そこに現れたのがGRZだ。GRZは街の人たちを助け、GBRを追い出した。GBZの作戦のおかげで、街の人々はGRZを見直し、互いに仲良くなったのであった。

ある日、GRZが礼を言おうと、GBZのアジトに行くと、そこはもぬけの殻で、置き手紙が一通あるだけだった。

GRZがその手紙を開くと、次のようなことが書かれていた。

「ブオンブオンバババババババ、ブオンブオーン、パパパピパピプパ、ブオオオーン」

GRZは何度も読み返しては涙を流した。

以上は、私たちの地域に伝わる「泣いたグループ・レッド・ゾーン」という物語である。