苦い文学

ケンカ

「留学生」というとまるで均一の集団のように聞こえるが、当然のことながら異なる国からの出身者から構成されている。

そして、国や文化が違えば、軋轢も生じやすい。これも当然のことだ。

あるとき、授業中に留学生の間でケンカが起きた。教員が収めようとしたが、双方とも頭に血が昇って耳になんか入らない。しかも、ケンカは他の学生にも飛び火して、ますます手がつけられなくなった。

その教員はもはや自分では解決できないと判断し、教室を出て他の教員を呼びに走った。

同じ階では他に授業は行われていなかった。下の階に行くと明かりがついていない。そこで、上の階に行くと、別の教員がいた。その教員に事情を話して二人で下の教室に駆けつけた。

そして、二人の教員は目撃したのだ。

もぬけの殻の教室を。

教員がいなくなったので、みんな授業が終わったと思ってさっさと帰ってしまったのだ。あれほどいがみあっていた学生たちも、帰りたいという気持ちでは一致団結したというわけだ。