苦い文学

日本で一番かたいもの

友人と、豚骨ラーメンを食べに行った時の話だ。頼んだのは私が先。「カタ麺で!」と付け加える。

すると、友人が「こっちはバリカタで!」

私はちょっとカチンときた。利いた風なこと言うじゃないか。

やがてラーメンが来た。我々はほぼ同時に麺を啜り終えた。すると友人が店長に「替玉お願い、ハリガネで」

そして、私のほうを見ると、半笑いで「店長、こっちにも替玉、カタ麺で……」

私は遮った。「こっ粉落としで!」 そして友人を蔑むような目で見返してやった。

そして、2度目の替玉の時がやってきた。先手を打ったのは私。

「粉落としじゃもの足りねーよ。店長さんよ、ひとつダイヤモンドで!」

そして友人のほうを指して、笑いを堪えながら「こちらさんにはニュウメン……」

すると友人、私を睨みつけるや大音声を発する。

「宮内庁の頭!」

そして、かんらかんらと大笑いしながら「日本にはこれ以上固いものはありゃしやせんて!」 もう勝ちを確信したってわけ。

ところが私ときたら、まっこと悠然たるもの。

「ダイヤモンドはやめで! こっちは……」と自信たっぷりに————

「真子の決意!」

店内が水を打ったように静まり返った。友人はわなわなと椅子からずり落ちた。私の勝利が確定した瞬間だった。

そして、2回目の替玉を食べ終えた我々は、ラーメン屋を出ると、そのまま歯医者に直行した。