苦い文学

定期刊行物

その刊行物はあなたのところに定期的に送られてくるのだ。第1号は特別定価で安くなっているが、2号以降は定価だ。

第1号の表紙には「爪」と書かれている。開くと、ブリスターの中に、大きさの違う半透明の破片が5枚、入っている。あなたは付属の薄いマニュアルを開き、それが右足の爪であることを知る。そして、親指から小指まで全部揃っているのは初回だから、ということも。

第2号には、右足の親指の爪が一枚入っている。それから新しい号が届くたびに、あなたの書斎には、体の部分がひとつづつ増えていくことになる。

足の爪のあとには、手の爪、指の骨、肉、皮。さまざまな内臓と骨、よくわからない内部器官。血液の入ったパック。脊椎と神経。顔の知覚器官。耳たぶ。そして脳のさまざまな部分。性器。少しずつ、人間の体ができ上がっていく。

ついにあなたのもとに最終号が届けられる。「眼」だ。あなたはその眼球を苦労しながら眼窩に差し込む。

そして、あなたは完成する。

あなたは立ち上がる。部屋を見回すと、目の前に血まみれの布が丸まっている。汚らしいその布を部屋の隅に放り投げると、あなたは新しい人生に向って踏み出す。