苦い文学

薬局にて

白髪とハゲに悩む私は、思い切って薬局に行くことにした。

しかし、その薬局はとてつもなく広いのだ。まるで体育館みたいだ。医薬品の棚がまるで迷路のように立ちふさがっている。いったい、どの薬がいいのかわからない。

店主に尋ねようかと思ったら、先客が2人いて、その対応をしているところだった。私は2人の後に並んで、順番の来るのを待った。

1番目の客が店主に言う。「五月病に効く薬はありませんか」

「どういったご症状で」

「毎日が五月のような気がするのです」

「それならこの張り薬がいいです」と店主は商品を出した。

次に2番目の客がつらそうに訴えた。「合併症に苦しんでいるのです」

「どうしたご症状で」

「この間は、銀行と銀行を合併させてしまいました。今は商社の合併です」

「なら、この塗り薬がてきめんです、どうぞ」

私の番が来た。

「白髪染めとハゲの薬をください!」

彼は私の頭に一瞥をくれるとすぐに1本の薬瓶を差しだした。

薬効を見ると「黒髪を白髪に染め、どんどん毛が抜ける」と書いてある。これぞまさしく私が必要としていた薬。

相談するなら、やっぱり、ちゃんとした薬局ですね。