苦い文学

大予言

私が子どものころ、ノストラダムスの大予言は非常に大きな影響力を持っていた。「1999年7月の恐怖の大王の来訪」とか「アンゴルモアの復活」とか恐ろしい語句をちりばめた四行詩が、我々の未熟な精神にすっかり世界の滅亡を信じ込ませたのである。

もちろん、これらは外れた。滅亡するのは予言のほうかと思いきや、どっこい今に至るまでしぶとく生き延びて、現在もそれなりの関心を集めているようだ。

この間も、本屋に行ったら、ノストラダムスの予言を扱った新刊書が積まれていた。思わず手に取ってページを開いてみると、こんな四行詩が目に入ってきた。

不可能だ、行儀よく真面目なる者よ。
学び場で闇夜の硝子が粉々になる時。
ヘルメス全土に自由をもたらす欲求とともに
支配は終わるだろう、仕組まれた卒業によって。

この奇怪な予言はいったいなにを意味しているのだろうか。皆目見当もつかないが、もしかしたらカラオケに行けばわかるような気がする……