私は無職だが、時たま肩書きを要求されるときもあり、そうしたときは非常に決まりの悪い思いをすることになる。
何か別の肩書きでもあればいいのだが、そうしたものもない。嘘をつくわけにもいかないので、恥を忍んで無職と答えることとなる。
そのようなわけで、近ごろはどうやったらこの無職というのをカッコよく言えるかばかり考えている(おかげで就職活動もそっちのけだ)。
答えはすぐ見つかった。なんのことはない「永遠の」をつければよかったのだ。
つまり「永遠の無職」だ。これは「永遠の17歳」とかいうのと同じで、人々は「あえて無職と名乗っている=つまり本当は仕事をしている」と勝手に受け取ってくれること疑いなしだ。
しかも、これは真実でもある。私はもしかしたら今後、なんらかの仕事に就くかもしれないが、かりにそうだとしても、それは決して本質的なものではない。それは私が無職であった期間に比べればはるかに短く、スピノザのいう永遠の相のもとに眺めれば、私は無職なのである(そして、これはあらゆる人間に当てはまるのだ……)。
私は「永遠の無職」と答えよう。そうだ、胸を張って、堂々と!
いつの日か私を永遠の業火が焼き尽くすまで……。