無職の私だが、それでもお腹は空いた。不思議なことに、朝起きれば朝食が、お昼になると昼食が、日が暮れれば夕食が、そして夜には夜食がほしくなった。
働かざる者食うべからず、というが、私はどうしても食べてしまうのだった。
私は空腹になると、鳴り止まぬ布袋腹を叩く。
「この腹め! この貪欲な胃め!」
私は口寂しくなると、憎きアヒル口を爪でかきむしる。
「この口め! このみだらな唇め!」
だが、結局は食欲のほうが勝つ。打ちのめされた私は悔し涙にくれながら、カツ丼や天丼、上ウナ丼を掻き込むのだった……。
しかし、この激しい悔悟と苦しい胃もたれの日々も終わるときが来た。私は、食事と食事の間の瞑想から目覚めると叫んだ。
「働かざる者が食べてはいけないのなら、おお、なぜ神は、無職の人間に食欲をお与えになったのだ! 勝手に食欲を与えておいて、それを禁ずるとは」
私は立ち上がり、肉まんと焼きそばパンと鮭おにぎりを抱えた。そして天を見上げると、怒りを込めて「食欲はなんのためにあるんだ!」と叫んだのだった。