Arakan, 難民, 入国管理局, 東京入国管理局

おもてなさぬの品川入管記(1)

 ビルマのアラカン州にはアラカン民族という古い歴史を持つ民族が暮らしているが、現在、ビルマ軍の攻撃により、多くの住民が危険にさらされているという。

 日本にはこのアラカン民族の政治団体があり、ずいぶん多くのアラカン人が、難民申請の末に日本での滞在を許可されて暮らしている。

 そのグループのリーダーが3月の初めに私に電話をかけてきた。2人の若者が品川の入管で難民認定申請をするから付き添いで行ってくれないかという。

 実際のところ、難民申請の付き添いに私が行っても何もできることはない。しかし、コロナのせいですることもなかったので、入管に行くことにした。先月書いた長崎大村入管訪問記に継ぐ、入管訪問記第2弾だ。もっとも、そんなに長くはなるまい。

 さて、私が品川入管、つまり東京入国管理局に行ったのは3月9日月曜日のことだった。10時に着くと、玄関前で2人の若い男女が待っていた。

 そのままいっしょに難民関係の部門のある3階に行く。

 私たちが用のあるのは申請のカウンターだが、その途中通りがかった難民調査のカウンターから、女性職員の罵声が聞こえてきた。申請者を怒鳴りつけているのだ。

 「おもてなし」の国でなんということが! 

 私は震え上がるが、よく考えてみれば、ここは、おもてなさぬの品川入管、歌にだって詠まれるほどだ。

     滝川で クリを捨てると微笑めば 
              泥沼のイガ 拾うきびしさ

 ほんと、きびしいのよ。