真実の記録

我が国のリンボ

年老い、もはや死を待つばかりになった私は、最近、死後の世界について研究している。

三途の川、臨死体験、光り輝く世界などさまざまなことを言う人がいるが、私の研究によれば、人間が死後どうなるかは以下の通りだ。

死ぬと魂は肉体を離れ、海辺に立つ巨大な建物に連れて行かれる。そこで、審査の後、あの世(天国か地獄のどちらか)に飛び立つ。

問題は、死後の魂のうちに一定数、旅立ちたくないという者がいることだ。この世に未練があるのだ。そうした場合は、海辺に立つ巨大な建物の7階より上にある収容施設に留め置かれる。

そこで、被収容魂は、生者の世界に帰れるとのかすかな希望を胸に収容生活を送る。

海辺に立つ巨大な建物には、これらの魂をあの世に送るための専門の天使がいて、あの手この手で絶望させ、苦しませ、悩ませ、この世への執着を断ち切ろうとする。その手法はあまりにも残酷で、容赦ない。それは、人間の尊厳をはぎ取ることが、あの世への旅立ちに不可欠だからだ。

ときおり、天使は残虐な行為に夢中になって、故意にか誤ってか、被収容魂を殺してしまうことがあるという。