真実の記録

心を開く鍵

チュニジアにいる私の友人の一人は、アルコール依存症と精神病で苦しんでいる。私は心の病気のことはよくわからないが、調子のいいときと悪いときがあるようだ。

彼は日本語を勉強していて、それで知り合った。私にとっては数少ない気の合う友人だ。なので、現在の彼の状態はとても残念だ。

彼は仕事をしていないので、時たま Messenger に、お金を送ってくれと書いてくる。

彼にとても世話になったこともあり、最初のうちは、いくらか送っていた。だが、あるとき、その金が酒に消えていることと、それが彼の家族を苦しめていることを知ってから、送らなくなった。

しかし、彼から金の無心のメッセージは続いた。

「100ユーロ、お願いします」

私が返事をしないと次にこう書いてきた。

「50ユーロ、お願いします」

それでも無視していると、40ユーロになり、30、20、10、5と減額されていった。もちろん5ユーロでは送金料のほうが高くなる。

5ユーロからは、1ユーロずつ減っていき、やがて1ユーロになった。その次は0.5ユーロで、それからは、0.1ユーロずつ減っていった。

彼はどんなつもりで送ってくるのか。そして、どこまで減っていくのか。

ついに0ユーロになった。だがこれで終わりではなかった。-1ユーロ、-2ユーロ、-3ユーロ……

そして、最後にポルノ写真が送られてきた。

彼は、私とコミュニケーションを取りたいのだ。結局のところ、私も彼も孤独な点においてなんの変わりがあろう。だが、これらの写真のあとで返事を書いたら、「おお、この手の写真があいつの頑なな心を開く鍵だったのか」みたいな感じになっちゃうではないか……