2015年10月、ビルマで総選挙が行われた。この総選挙でアウンサンスーチー率いる国民民主連盟(NLD)が勝利し、新しい政権が生まれた。そして、その5年後の総選挙でもNLDは勝利し、これに対し数ヶ月後に軍がクーデターを起こすことになる。
2015年の総選挙の時は、NLDだけが選挙に出たわけではなかった。軍政寄りの政党もあれば、少数民族政党もたくさん立候補者を出していた。
私はこのときビルマにいて、カレン民族の政党の立候補者がエーヤーワディ・デルタを遊説するのに同行していた。
移動は借りた車だった。持ち主がNLD支持者だったため、車にはNLDの旗がついていた。カレン人の立候補者は気がつくと旗を外した。
ボーガレーという町に向って夜道を車で進んでいるときのことだった。カーステレオから、歌が流れてきたのだった。運転する支持者と助手席に座る立候補者は、K-Pop だ、と断言したが、後部座席で聞いていた私は、日本の歌だとすぐにわかった。どうやら、その車は日本から来た中古車で、CDが入ったままだったようだ。
女性アイドルの歌だ。メロディーは少し古い感じだったが、アレンジは Perfume にも似ていた。
気になった私は、耳を澄まして歌詞をいくつか聞き取り、暗い車内でメモしておいた。
日本に帰ってその歌詞を頼りに調べてみると、すぐに ClariS というユニットがひっかかった。曲はといえば、アニメの主題歌ばかりだ。
なんだ、テレビまんがかよ、と思ったが、音楽に罪はない。すぐに全曲を購入し、愛聴した。