日本語教師養成講座に通っていても、当然ながら自分で勉強しなければ、検定試験に合格することはできない。ならば、養成講座が無意味かというとそうではない。
そもそも日本語教師養成講座は、日本語教師を養成するための講座であり、検定試験合格が目的ではない。もちろん、学ぶ内容は重なっているが、演習や模擬授業など養成講座でしかできないことも多い。また、教員の実際的な経験を聞くのも役に立つし、同じ受講生の存在もよい刺激になる。
だから、検定試験の合格だけを考えれば、独学でもいいかもしれないが、実際に日本語教師として働くことを考えると、養成講座での経験は大いに意味がある。
それはともかく、独学だろうと養成講座だろうと、検定合格のためにやっておいたほうがいい、いや、やらなくてはならないことがある。
それは、実際に日本語を教えることだ。
聞いただけ、読んだだけの知識が、実際に教えるなかで、例えば学習者の発音を聞いたりして、「こういうことか」と思い当たることがある。また、教えていてなんとなく感じていた問題が、検定の教科書を見たら、専門的に解説されていて驚く。こうした経験が多ければ多いほど、検定試験の勉強はやりやすくなる。
教えるのは、個人的なボランティアでもいい。しかし、もし機会があるのならば、日本語教室のボランティアや、日本語学校の非常勤のほうがずっといい。そこで働く教師からも学べるし、カリキュラムの設定、クラス運営、評価などについてもいくばくかは経験することもできる。また、個人では買うことのできない聴解教材などの使い方を経験できるのも貴重だ。
検定試験は、日本語教師の受験者も多いが、このこと自体が、この試験の特徴、つまり実際に経験しながら勉強したほうが有利だ、ということを物語っているのではないかと思う。
