苦い文学

仮名手本忠臣蔵

4年ほど前から浄瑠璃の脚本を読みはじめ、それが昂じて、今年は義太夫節の語りや三味線にまで興味をもつにいたった。…

謝罪の評価

ヨーロッパのとある国の政治家が堂々とつり目のポーズで写真を撮り、アジア人を侮辱したことに大きな非難が巻き起こっ…

Homecomings@EX THEATER ROPPONGI

たぶんバカなのだろう私は、先のことはあまり考えずに予定を入れてしまう。そんなわけで 12 月に入って 3 回も…

熊の拡散

日本漢字能力検定協会は 12 月 12 日、令和 7 年の世相を漢字 1 文字で表す「今年の漢字」が「熊」に決…

mekakushe と宇宙ネコ子

宇宙ネコ子が mekakushe とライブをするというので行ってみた。タイトルは「mekakushe &tim…

立ち仕事

ビルマ人の友人の病室は 8 階の大部屋の窓際にあった。すべてのベッドはカーテンで閉ざされていて、見舞いに来た私…

構造の外(2)

曇り空の下、新宿の高層ビルが立ち並んでいた。私は世界でも有数の都市が一望できる場所にいたのだった。銀色の巨大な…

構造の外(1)

ビルマ人の友人が入院したというので、2 人のビルマ人とお見舞いに行った。病院は新宿にあり、彼の病室は 8 階に…

電車の広告

電車にはいろいろ広告が貼られているが、最近よく見るのが、何かの支援団体が寄付を呼びかけるものだ。女性の顔が大き…

男たちの危険な遊び

この世界には、口に出しては言ってはいけないことがあるの。そう、男たちが言わないで我慢している言葉がある。なぜな…

擬人化

私たち人間の認識に備わっている基本的な装置のひとつは擬人化だ。私たちにとって人間を認識できるか否かは重要なので…

ザ・シスターズハイ+ネコニスズ

ザ・シスターズハイとネコニスズの「ツーマンライブ」が新代田 FEVER で開催された。これは、ザ・シスターズハ…

ギブミーガン

アメリカ大統領が日本にやってくると「日本でも銃を自由化せよ」と圧力をかけた。おりしも存立危機事態のことばかり考…

自由な話

去年、ポーランドに行ったとき、行きの飛行機で隣に座ったポーランド人の青年に話しかけられた。なんでも 1 ヶ月北…

人類の進化

彼は、自分の書いたものを AI に読ませてみようと思った。そうしたら「読者はいないでしょう」とすぐに評価がかえ…

英語を学ぶな

私たちは、教育に関わる者として、子どもに英語を教えることに断固として反対です。なぜなら、英語ほど卑猥で淫らな言…

AI 災害

AI について独自に学んでいた友人は、驚くべき結論に達した。AI とは自然現象なのだという。まともな頭ならば、…

脳の兵士

いつの日か私たちは、どん底まで落ちぶれて、髪の毛を売っても、汗を売っても、血を売っても、体を売っても、臓器を売…

後進の沼

日本は昔、先進国であった。そして、今はゆっくりと先進国から転落しつつある。それどころか、後進国の沼に片足を突っ…

最後の読者(2)

「あなたの作品は読者を拒否するのが特徴なのに、これは読者を拒否しておらず、あなたらしくない」 こんなふうに言わ…

最後の読者(1)

私は書くものを SNS で発表しているが、読者がひとりもいなかった。フォロワーもゼロ、「いいね」もゼロ、つまり…

哀悼せざる者たち

どこかの街で大きめの事故が起き、犠牲者がでた。芸能人たちが哀悼のメッセージを SNS にあげるなか、一部の芸能…

AI なんて怖くない

「AI は人間から仕事を奪うというが、本当か」 「私は人間の代わりを務めるだけです」 「しかし、あなたのせいで…

熊の郷

熊が人里に降りてきて、人々に乱暴を働きだしたとき、私たちはこう考えた。 「熊に人間の食べ物を食べさせなければこ…

デューティ・ヘイヴン

タックス・ヘイヴンとは、税金ゼロか、ほとんどかからない租税回避地のことです。納税の義務を回避して脱税したり、非…

孤独な娘

最近、私は AI にいろいろ尋ねて、知らなかったことを教えてもらっている。 あるとき、私は機械にすぎない AI…

コレサワのかぶりもの

昨日 11 月 22 日、私は日帰りで岡山大学に行った。日本言語学会の大会で、ポスター発表をするためだ。題目は…

今週の中国人たち

急に大きなポスターを印刷しなくてはならなくなった。それで池袋のキンコーズに行った。混んでいるが、2時間ほどでで…

詐欺でない本

昨日は、Amazon で売られている詐欺の本について書いたが、今日はやはり Amazon の詐欺ではない本につ…

詐欺の本

Amazon で本を買うと、残念な思いをすることがある。古書を買ったら、表紙がなかったり、箱がなかったりする。…

AI の歯

AI の言葉遣いは、学習した言語データのうちもっとも平均的なものだという。だから穏健だし、過激な物言いなどとは…

孤独なダンサーたち(5)

コレオグラファーの手配によって男は病院に緊急搬送されたが、そのときにはもう意識を取り戻していた。医師は簡単な診…

孤独なダンサーたち(4)

その男は、駅前広場の真ん中の暗がりのなか、異様なダンスを孤独に踊り続けているのだった。 コレオグラファーは、思…

孤独なダンサーたち(3)

孤独なダンスを始めたのは彼が最初ではなかったというのは疑いようがない。もしかしたら、項羽にまで遡る可能性もある…

孤独なダンサーたち(2)

そんな状態だから、と他の人々は言うかもしれない。精神の調子が狂って、彼にそんなことが起きたのだ、と。だが、私は…

孤独なダンサーたち(1)

言葉が人間の認識に強い影響を与えることがある。「心が潤う」「乾いた心」「あふれる愛」「元気が湧く」「ひからびた…

宇宙の鍵

私は宇宙物理学のことはよくわからないが、その研究がある種のパスワード探しであるということはよくわかる。 そのパ…

『存立危機事態 ザ・ムービー』

【ザンゲー通信:記者の目】日本の首相が、台湾有事が「存立危機事態」だと発言したことに対し、中国政府が大きく反発…

時代にログインできない男たち(1)

「あなたのような中高年男性は、すきあらば昔をなつかしもうとするし、目を離せば今と女性と外国人に対するヘイトスピ…

アボカドのための祈祷

全国のアボカド愛好家有志が、今日、千代田区大手町にある将門塚の参詣のために集まりました。 将門塚は、その昔、朝…

ストレスチェック

会社から「ストレスチェック」を受けるようにという通知が来た。面倒くさいしバカバカしい。そこで、私は AI にこ…

駅の階段での発見

夕方、仕事から帰ってきた人々が電車からどっと降りるとき、階段の右側は、改札階へ上がる人々でごった返す。なぜなら…

家計にやさしい国旗損壊罪

日本でも国旗損壊罪の制定に向けて大きく動き始めました。賛否両論のあるこの国旗損壊罪ですが、日本国民にとって意外…

涙は下に流れる

私たちは年齢を重ねると涙もろくなる。子どもが健気に歌っている姿や、若者が成長しようともがいている姿、それどころ…

ワーク・ライフ・バランス

社長がこんなことを言い出した。 「ワーク・ライフ・バランスを捨てて、働かねばならない」 社員の一人が言った。「…

世界の真ん中で咲き誇る

かねてから日本は「世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻す」ためのプロジェクトを準備してきましたが、今日、その…

私の MBTI

MBTI というのは、人間の性格を全部で 16 のタイプに分類するものだ。私は詳しくはわからないし、知る必要も…

人類に不可能なこと

アメリカの科学ジャーナル「サイエンティフィック・ベンチマーク」に「人類に不可能なこと」という興味深い記事が掲載…

Message in a Bottle

まるで漂流者のように私は街をさまよい、「孤独のメッセージ」という一風変わった名の焼肉屋に逢着した。 客は私だけ…

TCクラクション×ネコニスズ

TCクラクションとネコニスズのツーマンライブ『うるせぇ奴らが来た』(ユーロライブ)が今日、開催されたので行って…

信じることは魔法

……友人も家族も、仕事も、生きがいも、すべてを失い、ただ孤独にポツンと座っていた私…

熊の知性化

私たちの国では、いつの頃からか、熊が人里に現れ、人々を襲うようになりました。多くの人はこの危険で凶暴な獣を駆除…

駆け込み乗車

今日電車に乗っていたら、普段と違うアナウンスが聞こえてきた。 「先ほど〇〇駅で駆け込み乗車をされた方、怪我の有…

聖地巡礼

私たちの夢は聖地巡礼だ。鋭い山頂に乗っかる聖域、海の光が眩い白い塔、風の吹く墓地。いつか、いつか巡り歩きたいと…

やすく NISA

新しい政府になって、ますます愛国心が求められる世の中になってきました。これからはなにをするにも愛国心がないと困…

身を切る改革

自民と維新の連立により、議員定数削減の道が開かれることになりました。定数削減は財政負担を減らすなどのメリットも…

動く会議室

私たちの市長が、部下とラブホテルで密会していただなんて非難されていますが、私は市長が言うとおり、男女の関係など…

秋は馬車馬に乗って

この秋、「ノー・キングス(嘘つきにして独裁者であるトランプのような王様はいらない)」を掲げる大規模な抗議デモが…

ガールズバーに行ってみた

夜が孤独で耐え難くなってきたので、いろいろ考えたあげく、ガールズバーに行ってみることにした。酒を飲みながらカウ…

ビルマの不運な学生

ビルマ国内では長いあいだ戦争が続いていて、兵力を補充するためにビルマ国軍は、若いビルマ人を捕まえて軍に入れてい…

リベラル密輸事件

人々が東京湾の海上でその怪しい船を拿捕し、その積荷を見たとき、驚き、憤らずにはいられなかった。船倉はリベラルの…

静かな電車

日本に来たとき、びっくりしたことはたくさんありますが、とくに驚いたのは、電車の中が静かだということです。 私の…

新たなプラン

私は今、2 つの動画配信サービスに加入している。とはいえ、最近はあまり見る時間がない。また、見る時間があっても…

ブラックホール与党

今日、国立宇宙理論研究機構が発表したところによりますと、与党がブラックホール化する可能性が高まっているとのこと…

内戦に転化せよ

【ザンゲー通信社:社説】ますます先行き不透明になっていくこの国際社会において、もっとも重要なのは同盟関係、とく…

太いパイプ

自公連立の解消という衝撃が走った昨日から一夜明け、高市自民党総裁の女性初の首相就任が必ずしも確実とはいえない状…

日本に学ぼう

この度、トルコ、イラク、イランなどの政府関係者が日本を訪問し、川口市を視察しました。どの国も、国内のクルド人を…

素人は黙ってろ

素人はしょせんプロには敵わないのです。まず、経験と知識の差があります。プロは長年の訓練や実践を通じて、素人がち…

反日外国人の野望

某反日国の秘密研究所に全身傷だらけの男が虫の息で担ぎ込まれてきた。所長が駆けつけると、男は手に握った毛の塊を差…

80 歳からの NISA

NISA を始めるときに大事なのは、年齢だと思っていませんか? そんなことはありません。80 代からでも大丈夫…

天使のメール

知り合いの日本語教師に、天使のメールが届いたというのでご報告したい。 その人は、ある朝、日本語学校で授業の準備…

知的生命体の探索

地球人はついに星々を巡る船を建造し、知的生命体を探索する旅に出発した。もちろん闇雲に探すのではない。地球人たち…

昭和の魂、百までも

昨日、東京、霞ヶ関にある経済産業省のビルで暴れたとして、50 代の男が逮捕されました。ビルに侵入しようとした男…

言語の変化

言語はどうして変化するのだろうか。いろいろな考え方がある。正しい言葉を使わないからだという人がいる。例えば「ら…

鹿蹴り

武闘派で知られる政治家の発言が波紋を引き起こしている。外国人が鹿を蹴ったのを見たというのだ。ある人はこれは本当…

新たな循環

循環的時間とは、農耕民族である日本人に特有の時間観です。農耕は季節の移ろいとともに始まり、そして終わります。春…

進化への促し

9 月の半ばに、iPhone の新しい OS、iOS 26 がリリースされた。私はさっそくアップデートしたが、…

笑って長生き

人間は笑うと、ストレスホルモンが減少し、免疫力が高まる。ガンだって消えてなくなる。つまり健康になる。とすると、…

ラブホ市長

……素晴らしい公約を掲げて市長に立候補したその人が、市長として初めて市役所に入った…

『コントの虎 漫才の狼』

ヤーレンズは今、単独ライブツアーの最中で、私は抽選に何度か応募したのだが、すべて外れてしまった。だが、たまたま…

解放の祝祭

街中で歓声が湧き上がり、喜びの足踏みと手拍子が鳴り響く。あちこちで祝砲が弾ける。 もう恐れるものはなにもない。…

外国人労働者

私たちの国には、外国人労働者はいません。昔はいました。ですが、私たちはこれがイヤでした。なぜなら、外国人は私た…

ブラックホール人

私たちの市で博士と呼ばれている人が、ブラックホールを発見したと、市役所の前で発表した。藪から棒に星の世界へのロ…

阿弥陀胸割異聞

「阿弥陀胸割」とは、昔の語り物のひとつで、落ちぶれた姉と弟の物語だ。 ある金持ちがいて、その息子が病気でもう死…

人類の繁栄

我々人類とネアンデルタール人が交雑していた、というのはもはや常識であるが、これはとりもなおさず、人類とネアンデ…

痩せすぎ問題

現代の日本人女性は「貧困国レベル」に痩せすぎているとの報道にショックを受けた日本社会で、新たな動きが生まれてい…

ドイツの移民

Sushi Bar についてこの前書いたが、この異国風寿司屋以上に、ベルリンの街角に溢れているのがケバブ屋で、…

ニャンコの目

ヨーロッパの人類学研究所の論文が、日本人を含むアジア人の目にある変化が起きているという興味深い事実を報告した。…

中流の旅

しばらく前のことですが、私は、ニュースを見てとても驚きました。日本で貧富の格差が広がり、このままだと富裕層と貧…

郷に入っては

私は、郷に入ってはいつだって郷に従ってきた。今日も郷に入る。郷に従うために。そして郷に入った。もう従いたくてた…

本場の寿司

江戸前寿司というように、寿司の本場といえば江都東京だ。そんなふうに思っていた私だったが、今回、ドイツ、ベルリン…

鴎外の害

森鴎外という作家はご存知だろうか。昔の文豪だ。 少し本でも読んで勉強しようと、たまたま手に取った本の作者が森鴎…

森鴎外記念館(後編)

ベルリン・フンボルト大学森鴎外記念館は、Friedrichstraße(フリードリヒ通り)駅から歩…

森鴎外記念館(前編)

説経節を読んでいて、森鴎外の「山椒大夫」を知った。読んでみたが、本家のほうが面白い。しかし、他の短編がよかった…