私は研究者ではないので、研究はしたことがありません。それでも、科研費で調査などに行くこともあります。科研費は公的資金ですから、調査で得た情報や成果は広く公開すべきものとされています。
とはいえ、私は研究者の世界に属してはいないので、公開する機会や場所はほとんどありません。また、そもそも研究者ではない人の「研究」などに興味を持つ人もいないようです。ですが、だからといって、科研費を使った責任が免除されるわけではありません。
そんなわけで、私は科研費の「成果」のいくばくかをインターネット上で公開することにしました。
私が調べているのは、チュニジアという北アフリカの国の言語です。具体的にいえばアラビア語の方言です。そしてチュニジアのアラビア語方言にも種類がありますが、特に私が調べているのは、首都チュニスで話されているチュニス方言です。
チュニス方言のなにを調べているかというと、文法です。また、チュニス方言で書かれた物語についてもけっこう長い時間をかけて調べていて、語彙もそれなりに収集しています。
文法については資料をまとめた文をいくつか書きました。ですが、語彙については、ほとんど公開していません。これから少しずつ作成していく「チュニジアの言語と物語」というページでは、①自分が発表したものに簡単な解説を加え、②物語に出てくる語彙や表現についてまとめる、ということを行なっていきます。
また、2025年2月から、チュニジア南部のベルベル語の一方言についても調査をはじめました。今後どれくらい調査ができるかわかりませんが、この言語についても得た資料を公開したいと考えています。
こうしたことは、研究者による本格的な研究を通じて行うのがいちばんなのはもちろんでしょう。ですが、私のような素人にも貢献できることがまったくないわけではないようです。もしかしたら間違いばかりかもしれませんが、そこになにか有益なことが見出されるならば幸いです。